相続特集

相続案件の難しさについての回想

今まで数多くの相続の場面に立ち会ってきました。今日はその中でも難しかったお話をさせていただきます。とあるご夫婦(お子様はおられない)の双方の、任意後見と身元引受を受任していた時の話です。ご主人は足が少し弱っておられましたが、頭ははっきりされていて、一方奥様は多少物忘れがひどい状況でした。そんななか、御主人の体調が急に悪くなりました。このままもしご主人が亡くなられた場合は、相続人として奥様と、御主人側の甥(ご主人には幼い時に生き別れた兄上がおられ、そのお子さん)が、相続人となります。法定相続分は、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4ですから、今回のケースでは兄上亡きあとは甥御さんが1/4を代襲相続ということになります。

◎病院での公正証書遺言

先々を考えていたご主人から、「甥には一度もあったこともないし、妻に全財産を継がせたいと考えている。遺言の形にしておきたい。」とお話がありましたので、公証役場にて公正証書で遺言を作成することにしました。その遺言の手続きの日取りも近づくなか、御主人の容態が急変し、病院に入院となりました。しばらくしたら回復し退院できると思っていましたが、入院してまもなく御主人は話すこともおぼつかなくなりました。もしこのまま体調が戻らなかったら、ご主人の奥様への気持ちである遺言の手続きを実現することができなくなると思われました。私は入院している病院において公正証書遺言手続きをする方法を考えました。そこで公証人に病院に出張いただき、なんとか遺言の手続きを終えました。その頃は、ご主人は何とか「はい。」と意思表示できるぐらいの状態になっており、遺言するにはギリギリな状態であったと記憶しています。ほんとに間に合ってよかったです。その数日後にご主人は亡くなられました。こういったケースは稀かと思われそうですが、私は同様の状況で、病院での公正証書遺言を経験しています。その方の場合は、遺言した日の次の日、日付またいで直ぐの深夜に亡くなられています。

◎葬儀の手配

亡くなられた当日は、朝5時頃、病院から容体が厳しくなったと連絡が入りました。病院に私と奥さまとで駆け付けましたが、その数時間後に、御主人は息を引き取られました。悲しい出来事でした。私は病院にあるご主人の衣服や着替え、その他遺品を受領し、退院の手続きと葬祭業者の手配をしました。お疲れのご様子であった奥様には一度お家に帰っていただき、私は葬祭業者の手配した霊柩車と共に、葬儀までの遺体の安置所に向かいました。葬儀のことですが、葬儀に際してどなたに連絡してよいかわからない、またどの宗派のお坊さんに頼めばよいかわからない、状況でした。当時エンディングノートも未完成であったことが悔やまれました。いざという時のことは、奥様もご主人に任せっぱなしであったこと、またほとんど覚えていなかったことも、事態に拍車をかけたと言えます。何か手掛かりとなるものはないかと、葬祭業者から戻ってきた私は、奥さまとお部屋の中を探しました。部屋の中から、幸いにもご主人宛の年賀状の束が出てきたので、そこからご親族らしき方々にお電話でご連絡いたしました。ご主人のご友人と以前から親しくさせていただいていたので、その方がご存じの方々にもご連絡いたしました。お坊さんのことをどうするかも問題になりました。仏壇があるので仏教式であることは問題なさそうでしたが、宗派も色々ありますので。奥様と共に、お仏壇の引き出しを開けさせていただいたところ、仏壇奥から、ある宗派のお寺の手帳が出てきました。そのお寺にご連絡しましたが、かなり遠いところにあったので、断られてしまいました。致し方なく、近隣でその宗派のお寺を探し、無事お坊さんの手配もしました。ご葬儀は、連絡がついた方だけでしたが、無事済みました。ご遺体の焼却とお骨箱の受領とずっと御同行させていただきました。そのあと急いで、年賀状が来ていた方々全員に、改めてお手紙で訃報をお知らせしました。

◎海への願いが叶わなかった

その後はお墓への納骨となりますが、お墓の準備が出来ていませんでした。ご主人は私と出会う前に、奥様の方の姪御さんにお墓のことを頼んだりされたようですが、うまくいかなかったようです。ご主人が入院された際に、万が一も考えて、前述のご友人と奥様と私で、お墓に関するご主人のご意向をお聞きしました。その際、「遺骨を海にまいてほしい。」とご主人が言われたのが、大変印象に残っています。そのご意向もありましたが、お墓というものは、亡くなられた方のご遺族の心の拠り所になるものです。ご主人のご友人と奥様と私とで、近隣の墓苑をいくつか廻ってお墓探しを始めました。奥様のお気持ちに寄り添えるようなお墓が見つかれば良いと考えていましたところ、自然の中にある、景色もよい霊園と出会いました。何より奥様もそこが良いと希望されました。奥様も健康が不安と言われており、またご友人の意見もあり私が墓地の管理者として契約しました。永代供養もお願いいたしました。そのあと数年間、奥様とそのご友人と私で、何回かお墓参りをさせていただきました。お墓参りの際に、奥様も色々思い出すことがおありだったようで、懐かしい昔話をされていました。ご主人のご希望であった海洋散骨は叶いませんでしたが、奥様にとっては良かったかもしれません。そのあと数年間奥様もお元気でしたが、それから数年後に亡くなられました。

※相続には事前の準備が必要

相続は、被相続人の財産を相続人に引き継ぐ手続きです。相続の手続きは、遺産分割協議、相続税の申告・納付、不動産の名義変更など、多岐にわたります。また、相続財産には、現金や預金などの有価証券だけでなく、不動産や事業などの複雑なものも含まれます。そのため、相続手続きは、複雑で時間がかかるため、難しく感じる人が多いようです。

さらに、相続には、相続人同士の人間関係や思い入れなどが絡むため、トラブルに発展するケースもあります。そのため、相続前に、遺言書の作成や相続に関する話し合いをしておくことが大切です。

以下に、相続の難しさのポイントをまとめます。

・手続きの多さ・複雑さ

・相続財産の多様性

・相続人同士の人間関係や思い入れ

・相続をスムーズに行うためには、事前に準備をしておくことがとても大切です。

行政書士
小和田 康文

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