《「遺留分の放棄」と「相続の放棄」は違います》
行政書士法人みらいリレーション名古屋オフィスの伊藤です。
当オフィスは、名古屋駅からほど近い場所にありますが、駅西には「ノスタルジックな名駅西」ともいわれる、昭和の風情が残るスポットも多いです。古き良き時代を感じながらのんびりと散策できる場所なので、名古屋にお越しの際には少し足を延ばしてみてください。
さて、今回のテーマは「遺留分の放棄」についてです。
遺留分とは、一定の相続人のために,相続に際して法律上取得することが保障されている遺産の一定割合のことです。たとえば、「全財産を第三者に遺贈する」(自分は相続できない)というような内容の遺言があった場合でも、遺留分権利者は、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求する権利があります。つまり、法的に保護された最低限の取り分があるわけですね。
ここで気になるのが、「遺留分を放棄した場合、どうなるのか?」という点です。被相続人生存中に遺留分を放棄する場合には、家庭裁判所の許可が必要となります。裁判所は単に「放棄します」という「意思を確認」するだけではなく、その放棄が「合理的で相当」なものであるかどうか、慎重にその判断をします。
仮に、遺留分を放棄したからといって、相続人の地位を失うわけではありませんので注意が必要です。遺留分を放棄した相続人も、遺産分割協議の当事者となりますし、相続放棄の手続きをしなければ、負債だけを相続するというリスクも残るのです。「遺留分の放棄」と「相続の放棄」は異なるものだということを、ぜひご理解いただきたいと思います。
遺言が無い場合には、遺留分を放棄した相続人も含めて遺産分割協議を行うことになります。ですから、遺留分の放棄を検討している場合でも、その後の相続手続きがどうなるか等も含めて、慎重に判断することが重要です。
遺留分の放棄や相続に関するお悩みがございましたら、ぜひ弊所グループにご相談ください。グループ内司法書士法人と協力して、皆様の疑問や問題に丁寧にお応えいたします。
皆様のお力になれるよう、名古屋オフィス一同、お待ちしております。
行政書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
伊藤 賢吾