行政書士ブログ

「おひとりさま」のための認知症等の対策

みらいリレーション東京オフィスの青柳です。
先日、『東京マラソン2023』を走る友人を応援するため沿道に出たところ、音楽演奏やダンス・民俗芸能などのパフォーマンスで盛り上げる゛ランナー応援イベント゛が開かれており、少しずつですがウィズコロナ・アフターコロナに向けて街全体が動き出しているのを実感しました。

そんな中、長生き大国ニッポンにおいて「人生100年時代」というフレーズは、もはや定着化してきたといっても過言ではないと感じています。
そしてその言葉と連動するように「おひとりさま」や「ソロ活」という言葉もメディアで使われるようになり、認知されてきています。
ビジネスチャンスとしての 「おひとりさま」というと、お店やレジャー施設を、文字通り一人で利用するお客様のことを表すかと思います。
ライフスタイルや価値観の変化を受けて、「一人の時間を楽しみたい」というおひとりさま顧客の需要は、老後のQOL(クオリティーオブライフ)を上げるという目的もあり、近年加速度的に増えているようです。

しかし、一般的に「おひとりさま」とは、配偶者や親族との死別・離別により同居する人がいない方を表すかと思います。
文字通り、推定相続人や親族が誰もいない方というだけでなく、何かしらの理由でこれらの人々と縁遠くなっている方々のことも含んでいますが、概ね下記の3つのケースです。
(1)文字通り、推定相続人や親族がどなたもいない
(2)推定相続人や親族はいるけれど疎遠
(3)推定相続人や親族はいるけれど迷惑をかけたくないと思っている

そのため、「おひとりさま」の場合は、仮に判断能力の低下により認知症を発症してきたとしても、親族等の援助を必要とする認知症対策を選択することが難しいと言わざるを得ません。
当事務所においても、お客様から「遠方に住んでいる親戚が認知症の診断を受けたことで色々な手続きが出来なくなり、困っている。何とか出来ないか」といった相談をお受けすることがありますが、この場合、多くは「法定後見申立」という選択肢を取る以外に方法が無いことが多いのが現状です。

さらに問題は、認知症だけに留まりません。
人が必ずどこかで迎える「死後の問題」(死亡届などの行政手続き、遺骨等の取り扱い、家財道具の処分など)に親族の援助が受けられない・受けづらい「おひとりさま」については、まだまだ気持ちもお身体も元気なうちに整理・対策を検討しなければならない時代になってきていると言えるでしょう。

身元保証・死後事務委任などの対策も

当事務所ではほぼ毎日、ご逝去後に財産の行き先を指定する『遺言書』の作成や、お元気なうちに将来に備えて財産を管理してもらう人を決めておく『任意後見契約』のご相談を多く頂きます。
しかし、身上保護・身上監護・身元保証・葬儀や納骨など、通常だと家族が行うような事務作業を「第三者に頼みたい・頼まざるを得ないのでどうしたらよいか」というご相談の数も確実に増えており、それらを解決するため当事務所がご提案する対策の選択肢も増えています。

①見守り契約
身近に頼れる親族・知人がいない場合に、第三者に定期連絡や定期訪問をお願いすることで、健康状態や生活状況にお変わりがないかを確認してもらえるためのご契約です。

②財産管理委任契約(任意代理契約)
「判断能力の衰えは全くないけれど、お身体の状態が思わしくない」ときに、親族や知人などの信頼できる人に、本人に代わって財産の管理や病院・福祉サービスなどの利用手続きを行ってもらう契約です。

③任意後見契約
まだまだお元気なうちに、将来認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、財産管理などを信頼できる人に任せられるように予約しておく契約です。
判断能力低下後に申し立てる『法定後見申立』と違い、「判断能力が低下したら、あなたお願いします」という内容のものです。

④身元保証契約・身元引受契約
入院や高齢者施設への入所、賃貸アパートへの入居の際に必要となる「身元保証人」や「身元引受人」を、第三者にお願いしておく契約です。

⑤尊厳死宣言書
回復の見込みのない末期状態になった場合に備えて、延命治療を控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ死を迎えることを宣言しておく書面です。
遺言と同じく、自分一人だけで行う「単独行為」なので、契約ではありません。

⑥死後事務委任契約
死後の医療費・施設利用料等の支払い、葬儀、納骨、埋葬、法要などの手続きを第三者に依頼しておく契約です。SNS上の個人情報や所有PCの情報を処分する「デジタル遺産」の処理も対象になります。

⑦(公正証書・自筆証書遺言保管制度による)遺言書
ご逝去された際に、財産を誰にどのように承継させるかを生前に決めておく書面です。当事務所が法人として遺言執行者となり、責任を持って想いを実現するお手伝いも可能です。

「おひとりさま」の対策は通常のケースに比べて多岐に渡ることが一般的です。
その分、お元気なうちにまずは一歩を踏み出して頂き、対策を考えることが大切かと思います。
当事務所では、グループ内に併存する「一般社団法人日本リレーションサポート協会」とも連携することで、上記の対策を個別でも、まとめて一括でのお引き受けを承ることも可能です。
あなたにとっての「かかりつけの事務所」として、まずはお気軽にご相談ください。

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