相続特集

相続 トラブル

デジタル遺産の相続手続き

デジタル遺産とは、デジタル化された情報で管理されている財産のことです。通帳や証券が発行されないケースも多いため、遺産相続の際には家族が把握しきれず、思いがけないトラブルが生じてしまうこともあります。

今回は、デジタル遺産を見落とした場合のリスクをご紹介したうえで、取り扱いの注意点について解説します。

遺産相続時にデジタル遺産の存在を見落とすリスク

デジタル遺産は通常の資産と比べて把握が難しいため、相続時には注意をしなければなりません。ここではまず、デジタル遺産を見落としてしまった場合に起こり得る問題点について見ていきましょう。

遺産分割のやり直し

遺産分割協議を行うときには、相続人のすべての財産が明確になっていることが前提となります。そのため、協議の終了後にデジタル遺産が見つかった場合には、その分を対象に別途で遺産分割協議を行わなければなりません。

また、デジタル遺産が相続財産のなかで大きな割合を占める場合は、すでに済ませている協議の内容に影響を及ぼすこともあります。この場合、遺産分割協議をはじめからやり直さなければならなくなる可能性もあります。

休眠預金になり公益活動に活用される

2009年1月1日以降に最後の取り引きがあり、最後の取り引きから10年以上経った口座は、休眠口座とみなされ、預金保険機構に移管されます。相続人にその存在を気づかれることなく年月が経ったデジタル遺産は、休眠口座になってしまうリスクがあります。

休眠預金のうち、一定の要件に当てはまる場合には預金保険機構に移管され、民間の公益活動に活用されることとなります。引き出しに備えて、一定の準備金は積み立てられているので、相続人がその預金の存在に気づけば引き出すことができますが、そうでなければ、休眠口座にある財産が相続人に知られないまま公益活動に使われてしまうリスクもあるということです。

相続税の追加納付が発生する

把握しきれなかったデジタル遺産は、相続税の申告から漏れてしまうため、過少申告の対象になる可能性があります。この場合、新たに納める税金が発生するだけでなく、税額の10%に相当する過少申告加算税がかかってしまいます。

また、相続税の申告・納税期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内であり、期限を過ぎた場合には延滞税もかかります。

相続放棄の判断を誤ってしまう

デジタル遺産には、投資の含み損や、ネットで申し込んだ借金といったマイナスの資産が含まれている可能性もあります。プラスの財産よりマイナスの財産が多かった場合、相続放棄の手続きをするのが一般的ですが、デジタル遺産を把握していなければ、相続するか放棄するかという重大な判断を誤ることもあるのです。

相続放棄の期限は、「相続開始を知った日から3ヶ月以内」とされているため、期限後に負債となるデジタル遺産が見つかると、大きな損失を負ってしまう危険性もあります。

デジタル遺産を把握する方法

デジタル遺産の取り扱いについては、被相続人の生前にきちんと話し合っておくのがベストです。しかし、すでに故人となってしまっている場合でも、所定の手続きを踏めば相続人が財産の調査を行うことはできます。
デジタル遺産のなかでも、特に利用されるケースが多いのは、ネット銀行の口座とネット証券の口座です。これらについては、いずれもIDパスワードまで把握しておく必要はありません。

ここでは、相続人自身で口座を調査する方法について見ていきましょう。

キャッシュカードを探す

ネット銀行やネット証券であっても、取引に必要なキャッシュカードは発行されます。キャッシュカードには取引していた金融機関の支店など、重要な手がかりが記載されているので、デジタル遺産を把握する上で役立ちます。

そのため、まずは故人の遺品や財布、所定のキャビネットからキャッシュカードを探すのが調査の第一歩となります。

他の金融機関の通帳やメールの取引履歴を参考にする

通帳は故人が生前に行っていた金融取引の流れを把握する重要なヒントとなります。他の金融機関の通帳であっても、ネット銀行や証券との間で資金の移動があれば、通帳に記載されているのでわかります。

また、ネット銀行の口座の入出金はメールで通知されているため、被相続人の受信フォルダを閲覧できるのであれば手がかりを見つけやすくなります。対象となるネット銀行の名称を件名に入れて検索を行えば、必要な情報を効率的に取得することができます。

休眠口座があるか否か調べるには

休眠口座になってしまう前には、金融機関からハガキによる通知が行われます。具体的には、最後の取り引きから9年以上経ち、預金保険機構への移管の対象となった残高1万円以上の口座があるときに、移管対象となっている口座がある旨の通知が送られる仕組みです。

ハガキは契約者の住所地に届けられるので、保管されていないか確認してみましょう。また、被相続人が生前に所定の手続きを行っていた場合には、メールで通知されることもあります。

ネット証券口座を探すには

被相続人の株式に係る口座を確認したい場合は、「証券保管振替機構(ほふり)」の登録加入者情報の開示請求を行うとよいでしょう。必要書類を郵送すれば、法定相続人やその代理人も請求が可能です。

ただ、確認できるのは金融取引証券所に上場している国内株式、新株予約権、新株予約権付社債、投資口、共同組織金融機関の優先出資、投資信託受益権、受益証券発行信託受益権などであり、非上場の株式はチェックできない点には注意しましょう。

また、その他のデジタル資産と同じように、ネット証券会社から届く郵送物やメールを通じて、口座や入出金情報を確認することもできます。

銀行口座の解約・証券口座の移管の手続き

口座が見つかったときには、取り扱う金融機関のカスタマーサポートセンターに問い合わせを行うと、詳しい相続手続きについて教えてもらうことができます。手続きはネット銀行・ネット証券のどちらも郵送で書面でのやりとりが基本となるので、漏れのないように必要書類をそろえましょう。

また、遺産分割協議に必要となる残高証明書の発行も同様の手続きで行えます。

まとめ

デジタル資産は利便性の高さに強みがある一方で、相続時には把握が難しい面もあります。相続トラブルを防止するために、被相続人となる方は遺言書などで財産を詳らかにしておきましょう。また、相続する側は、相続発生後、できるだけ早い段階で調査をスタートすることが大切です。相続手続きでお悩みの場合は、ぜひみらいリレーションまでご相談ください。

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