行政書士ブログ

自筆証書遺言のメリットを活用しましょう

≪自筆証書遺言のメリットを活用しましょう≫

行政書士法人みらいリレーション・東京オフィスの青柳です。

世界各地で「地球沸騰化」「史上最高の暑さ」とさえ言われた今年の夏も、段々と秋が深まってきたように感じます。
近い将来「二季」に移行するのではと言われる日本ですが、まだまだ四季折々の風情を楽しみたいものですね。

日々、様々なお問い合わせ・ご相談を受けることが多い東京オフィスですが、近年の終活ブームが定着化してきたこともあり、「法務局における自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度」のご依頼を頂くことが増えています。

法的な要件(法律的な効果を生むために必要なこと)が満たされていれば、公証役場にて作成する公正証書遺言と法律上の効果にかわりはありません。ご依頼をいただく割合としては公正証書の方が多いのですが、手書きの手紙のように、本文をご自身で自筆することで気持ちを伝えたい等の「こだわり」をお持ちの方においては迷うことなく選ばれます。

自筆証書遺言の保管制度と公正証書遺言の作成についてはもちろんそれぞれメリット・デメリットがありますが、この保管制度を利用するメリットのうちの一つに、「関係遺言書保管通知」と「死亡時の通知」が挙げられます。

『関係遺言書保管通知』
遺言書保管所に保管されている遺言書について、遺言者の死亡後、相続人や遺言書に
記載されている受遺者、遺言執行者等(以下、「関係相続人等」という)が,その遺
言書を閲覧したり、遺言書情報証明書の交付を受けたときに、遺言書保管官が、その
他の関係相続人等に対して遺言書保管所に遺言書が保管されている旨を通知する。
これにより、その他の全ての関係相続人等に遺言書が保管されていることが伝わる。
※法務局HPから一部引用

『死亡時の通知』
遺言書保管官が遺言者の死亡の事実を確認した場合には,あらかじめ遺言者(希望し
た遺言者のみ)が指定した者(遺言者の推定相続人並びに遺言書に記載された受遺者
等及び遺言執行者等から1名)に遺言書が保管されている旨を通知する。
※法務局HPから一部引用

例えば、前妻との間にご子息がいらっしゃる方が後妻と婚姻し、その後死亡した場合、このご子息と配偶者が相続人になり得ます。(廃除や相続放棄の問題は別として)
前妻の子との関係性が良好である後妻の方ももちろんいらっしゃいますが、多くの場合「会うどころか、連絡すら取ったことが無い」状況であることが多いです。

このケースにおいて、「全財産を配偶者に相続させる」といった遺言の場合、前妻の子に対する遺留分侵害の問題が発生します。
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者(この場合、前妻の子)が、相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと、時効により消滅します(民法第1048条第1文)。
また、相続開始の時から10年間が経過した場合も除斥期間により消滅します(民法第1048条第2文)。

法務局からの『関係遺言書保管通知』や『死亡時の通知』により、この「知った時から1年」の時効の起算となり得るのであれば、関りを持ちたくないと感じている配偶者にとっての負担を軽減できるメリットがあると思います。

尚、この自筆証書遺言保管制度はあくまでも保管制度であり、「その自筆証書遺言の内容がちゃんと法律的な要件を満たしているか」までの判断はありません。遺される相続人や受遺者のことを想い、せっかく自筆証書遺言書を作成したにもかかわらず、いざ開封してみたら自筆証書遺言書として有効に使えなかったという事例が見受けられますので、このような事態にならないためにも事前にしっかりとした対策をすることが重要です。

当事務所では、公正証書遺言書の作成はもちろん、この自筆証書遺言保管制度に関するご相談や事前の確認も承っておりますので、「かかりつけの事務所」として、お気軽にご相談下さい。

行政書士
青柳 高士

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